Nature ハイライト
神経科学:細菌は厄介な痛みの種
Nature 501, 7465
ブドウ球菌(Staphylococcus)によって引き起こされるような細菌感染では痛みが生じるが、これは免疫応答や炎症に続く二次的な症状と考えられている。今回C Woolfたちは、細菌感染の際の痛みの誘導が、従来考えられたこともなかった仕組み、つまり病原体が仲介する侵害受容器の直接活性化によっていることを報告している。彼らは、マウスで黄色ブドウ球菌(S. aureus)感染の際に生じる痛みが、既知の免疫メディエーターのほとんどとは無関係であることを見いだした。この細菌は、ホルミル化ペプチドおよび孔形成性毒素という2種類の分子を産生し、それらが侵害受容器神経を直接活性化することで痛みを誘導し、次いで炎症を調節するのである。
2013年9月5日号の Nature ハイライト
神経科学:細菌は厄介な痛みの種
神経科学:長い遺伝子の発現低下
病原微生物学:2つの炭疽毒素の標的は別々
量子情報科学:安全な情報ネットワークへの大きな一歩
物理学:量子ポイントコンタクトにおける「0.7異常」の解明
無機化学:簡便な窒素固定法を求めて
生物地球化学:植生の夜と昼の生産力
免疫:B細胞が形成されるもう1つの場所
細胞生物学:ゴルジ輸送複合体中の2つの輸送経路