Nature ハイライト
量子情報科学:安全な情報ネットワークへの大きな一歩
Nature 501, 7465
量子鍵配送(QKD)は、古典リソースと量子リソースの両方を利用する送信者と受信者の間での安全な情報交換を可能にするプロセスである。QKDの利用は、安全性の高い専用ネットワークにおける特定の応用に限定されている。それは特に、複数のユーザーが利用する場合、QKDが極めてリソース集中型になるためである。今回B Fröhlichたちは、「量子アクセスネットワーク」と名付けた、簡単で費用効果の高い光通信技術に基づく新しいQKDシステムの原理の概要を示し、さらに64ユーザーのネットワークでこの概念を実験により実証している。このネットワークでは、費用を節約し簡単にするため、ネットワークの鍵ノードに配置した単一光子検出器を、全てのユーザーが共有する。こうした進歩によって、安全なデータ伝送のルーチンとして量子技術が採用されるようになる可能性が示唆される。
2013年9月5日号の Nature ハイライト
神経科学:細菌は厄介な痛みの種
神経科学:長い遺伝子の発現低下
病原微生物学:2つの炭疽毒素の標的は別々
量子情報科学:安全な情報ネットワークへの大きな一歩
物理学:量子ポイントコンタクトにおける「0.7異常」の解明
無機化学:簡便な窒素固定法を求めて
生物地球化学:植生の夜と昼の生産力
免疫:B細胞が形成されるもう1つの場所
細胞生物学:ゴルジ輸送複合体中の2つの輸送経路