Nature ハイライト

量子情報科学:安全な情報ネットワークへの大きな一歩

Nature 501, 7465

量子鍵配送(QKD)は、古典リソースと量子リソースの両方を利用する送信者と受信者の間での安全な情報交換を可能にするプロセスである。QKDの利用は、安全性の高い専用ネットワークにおける特定の応用に限定されている。それは特に、複数のユーザーが利用する場合、QKDが極めてリソース集中型になるためである。今回B Fröhlichたちは、「量子アクセスネットワーク」と名付けた、簡単で費用効果の高い光通信技術に基づく新しいQKDシステムの原理の概要を示し、さらに64ユーザーのネットワークでこの概念を実験により実証している。このネットワークでは、費用を節約し簡単にするため、ネットワークの鍵ノードに配置した単一光子検出器を、全てのユーザーが共有する。こうした進歩によって、安全なデータ伝送のルーチンとして量子技術が採用されるようになる可能性が示唆される。

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