Nature ハイライト
物理学:量子ポイントコンタクトにおける「0.7異常」の解明
Nature 501, 7465
量子ポイントコンタクト(QPC)のコンダクタンスにおける「0.7異常」と呼ばれる現象は、1996年に発表されたキャベンディッシュ研究所のM Pepperたちの論文で初めて報告された。QPCとは、電子の波長と同程度の幅を持つ狭いくびれであり、2e2/hという単位で量子化されるが、測定するとコンダクタンス量子の0.7付近に肩が現れる。この効果の起源は発見以来議論の的になっているが、今回2つのグループがそれぞれ独立に、一見したところ異常に見えるこの挙動の説明に大いに役立つ研究結果を報告している。どちらのグループも、近藤効果に見られる状態に似た準束縛状態の関与を裏付ける証拠を見いだしているが、F Bauerたちは、エネルギー準位が高いほど、ポイントコンタクトにおける最低エネルギーバンドの一次元性の重要度が高まることを報告している。
2013年9月5日号の Nature ハイライト
神経科学:細菌は厄介な痛みの種
神経科学:長い遺伝子の発現低下
病原微生物学:2つの炭疽毒素の標的は別々
量子情報科学:安全な情報ネットワークへの大きな一歩
物理学:量子ポイントコンタクトにおける「0.7異常」の解明
無機化学:簡便な窒素固定法を求めて
生物地球化学:植生の夜と昼の生産力
免疫:B細胞が形成されるもう1つの場所
細胞生物学:ゴルジ輸送複合体中の2つの輸送経路