Nature ハイライト

発生:ヒト脳の新しいモデル

Nature 501, 7467

オルガノイド全体の断面図。細胞は青色、神経幹細胞は赤色、ニューロンは緑色で示されている。
オルガノイド全体の断面図。細胞は青色、神経幹細胞は赤色、ニューロンは緑色で示されている。 | 拡大する

Credit: Madeline A. Lancaster

ヒト疾患のモデル作製には、遺伝子改変マウスが広く使われているが、ヒトの脳の組織化は齧歯類に比べてかなり複雑であるため、脳発生に関連する疾患についての取り組みは進んでいない。J Knoblichたちは今回、新たなモデルとして、ヒトの多能性幹細胞を用いた三次元オルガノイド培養系を開発し、これによってヒトの脳発生のさまざまな特徴を再現した。この培養系では、ニューロンのサブタイプの経時的発生や脳組織の層構造化がうまく再現される。著者たちは原理証明実験として、患者由来の誘導多能性幹細胞を用いて小頭症モデルを作り出し、齧歯類モデルではこれまで観察されていなかったニューロン分化の異常を報告している。

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