Nature ハイライト
気候:太平洋の寒冷化が地球温暖化を休止させる
Nature 501, 7467
地球温暖化は1990年代後半以降ほぼ止まっており、気候感度に関する我々の理解、気候変動へ影響を与える根本的な機構、気候モデルが十年スケールの気候変動を記述する能力について懸念が生じている。小坂優とS Xie(米国スクリプス海洋研究所)は、近年の東太平洋赤道域の寒冷化を気候モデルに直接取り入れると、季節的な特徴や空間的な特徴の大部分を含めて、温暖化の休止を解明できることを示している。この結果から、現在起こっている温暖化の休止は、気候の内部変動の通常の事例であって、温室効果ガス濃度が増加し続けると、長期的な温暖化が再び始まる可能性が高いことが示唆される。
2013年9月19日号の Nature ハイライト
発生:ヒト脳の新しいモデル
細胞:ダウン症候群と過剰なUsp16との結びつき
構造生物学:重要な細菌膜タンパク質の構造
宇宙:銀河系中心の強力な磁場
工学:より簡単にした太陽電池
ナノ材料:金に匹敵する銀ナノ粒子
気候:太平洋の寒冷化が地球温暖化を休止させる
がん:老化がん細胞を補助的薬剤の標的とする
医学:トリパノソーマのAPOL1抵抗性
免疫:古代の免疫系を垣間見る