Nature ハイライト
免疫:古代の免疫系を垣間見る
Nature 501, 7467
無顎脊椎動物には適応免疫系があり、この系での抗原認識には、有顎脊椎動物のようなT細胞受容体やB細胞受容体ではなく、体細胞で多様化したロイシンリッチリピートを持つ受容体(VLR)が使われている。しかし、VLRBやVLRAを持つ細胞は、それぞれB細胞、T細胞と似た特徴を持っている。無顎脊椎動物であるヤツメウナギは、VLRC受容体を発現していることが最近報告されたが、今回、第三のリンパ球系列を持つことが明らかにされた。ヤツメウナギの2つのT細胞様リンパ球サブセットの間の相異は、有顎脊椎動物のαβ型およびγδ型 T細胞系列の違いとそっくりなので、別々のT細胞様系列の機能的特殊化は原始免疫系が昔持っていた特徴であると考えられる。
2013年9月19日号の Nature ハイライト
発生:ヒト脳の新しいモデル
細胞:ダウン症候群と過剰なUsp16との結びつき
構造生物学:重要な細菌膜タンパク質の構造
宇宙:銀河系中心の強力な磁場
工学:より簡単にした太陽電池
ナノ材料:金に匹敵する銀ナノ粒子
気候:太平洋の寒冷化が地球温暖化を休止させる
がん:老化がん細胞を補助的薬剤の標的とする
医学:トリパノソーマのAPOL1抵抗性
免疫:古代の免疫系を垣間見る