Nature ハイライト
物理学:フォノニクス時代に備えよう
Nature 503, 7475
フォノニクスという新興分野の研究では、音と熱を伝える力学的振動、すなわちフォノンの制御が中心的な役割を果たす。光子や電子のように、フォノンは多くの目的で粒子として扱えるので、実用的な応用に利用し、操作することができる。フォノンスペクトルは低周波音響から超音波や熱まで広範囲に効果を及ぼすため、フォノニック技術は免震、音響学、熱管理などの広範囲にわたる応用が可能となる。今回M Maldovanが、例えばフォノニック結晶、メタマテリアル、熱電体、オプトメカニカルデバイスなど、さまざまな長さスケールでフォノンを制御するいくつかの方法を概説している。現在のデジタル革命は、半導体中の電子を高度に制御できることが基礎になっている。著者は、フォノンを正確に制御できれば、それと同様の意外で面白い結果が得られるだろうと考えている。
2013年11月14日号の Nature ハイライト
物理学:フォノニクス時代に備えよう
細胞:in vivoで上皮細胞が基底幹細胞へ戻る
医学:HIV治療でのモノクローナル抗体の有効性
生化学:スプライソソームの中のRNA/金属触媒
物理学:磁気モーメントの緩和時間を延ばす
材料:ナノ粒子をつなぎ合わせて複雑な集合体を作る
地球:白亜紀海洋の原始海水
古生物学:初期の昆虫群の多様性
神経科学:昆虫の脳で行われている視覚認識
免疫学:クローン病での炎症