Nature ハイライト
材料:ナノ粒子をつなぎ合わせて複雑な集合体を作る
Nature 503, 7475
自然界で見られる階層的秩序化を模倣した多成分人工系を作製する手段の開発には、その実用化を見越して大きな関心が寄せられている。例えば、単純で素性の明確な分子構成要素を集合させることによって、複雑な生体材料を作製できる可能性がある。今回A Gröschelたちは、その目標への一歩となるボトムアップ式手法を開発した。以前に彼らは、溶液中で自己集合して単分散ナノ粒子を形成する単純な線状ポリマーを設計した。生成されたナノ粒子は、表面の「パッチ」によって明確な相互作用異方性を示すため、さらに自己集合してより大きな構造体を形成する。今回、さまざまなポリマーを併用して、さまざまな対称性を持つ複数種のナノ粒子を同時に形成でき、そうしたナノ粒子の共集合により2成分および3成分からなる規則正しい階層的構造体を形成するようにポリマーを調整できることが示されている。この手法は、スマート材料からフォトニクスまで幅広い応用が考えられる。
2013年11月14日号の Nature ハイライト
物理学:フォノニクス時代に備えよう
細胞:in vivoで上皮細胞が基底幹細胞へ戻る
医学:HIV治療でのモノクローナル抗体の有効性
生化学:スプライソソームの中のRNA/金属触媒
物理学:磁気モーメントの緩和時間を延ばす
材料:ナノ粒子をつなぎ合わせて複雑な集合体を作る
地球:白亜紀海洋の原始海水
古生物学:初期の昆虫群の多様性
神経科学:昆虫の脳で行われている視覚認識
免疫学:クローン病での炎症