Nature ハイライト
物理学:磁気モーメントの緩和時間を延ばす
Nature 503, 7475
個々の磁性原子の磁気モーメントは、メモリーや量子コンピューターへの応用に魅力的な要素である。しかし、そうした磁性原子とそれを載せる基板との相互作用によって磁気モーメントが不安定化される傾向があるため、緩和時間が数ミリ秒未満になることが多い。宮町俊生(東京大学ほか)たちは今回、ランタノイド系列の希土類元素ホルミウムの単一原子を高導電性表面に載せた系を調べ、報告している。この系では、ホルミウム原子と基板の両方の特性に関係する固有の対称性が組み合わさって、不安定化相互作用が最小限に抑えられる。結果として、ホルミウム原子の磁気モーメントの緩和時間は数分間に達し得る。
2013年11月14日号の Nature ハイライト
物理学:フォノニクス時代に備えよう
細胞:in vivoで上皮細胞が基底幹細胞へ戻る
医学:HIV治療でのモノクローナル抗体の有効性
生化学:スプライソソームの中のRNA/金属触媒
物理学:磁気モーメントの緩和時間を延ばす
材料:ナノ粒子をつなぎ合わせて複雑な集合体を作る
地球:白亜紀海洋の原始海水
古生物学:初期の昆虫群の多様性
神経科学:昆虫の脳で行われている視覚認識
免疫学:クローン病での炎症