Nature ハイライト

Cover Story:この1年を語る10の物語

Nature 504, 7480

2013年を総括するNature恒例の年末特集の一環として、「Nature’s 10」では、この12か月間に大きな話題を提供した10人を選びだした。我々が選んだのは、光照射による転写制御系LITEを開発したFeng Zhang(マサチューセッツ工科大学)、米国自由人協会(ACLU)の強力なアドバイザーとして活躍し、遺伝子に対する特許申請は無効であるという最高裁判決を出させるに至ったTania Simonelli、HIV感染新生児が治癒可能であることの強力な証拠を報告したDeborah Persaud(ジョンズホプキンス大学小児センター)、太陽系外惑星の中から地球の兄弟姉妹たちを探しだそうと探索を続けるMichel Mayor(ジュネーブ大学)、COP19で台風30号による被害状況を報告し、その後も自ら食を断って温暖化対策推進を訴えているフィリピン政府代表Naderev Saño、2月にチェリャビンスクに落下した、この百年間で最大の隕石の破片を追跡しているViktor Grokhovsky(ロシア科学アカデミー)、H7N9型鳥インフルエンザのヒトでの流行をすばやい対応で阻止したHualan Chen(国家鳥インフルエンザリファレンス研究所)、ヒト皮膚細胞からの胚性幹細胞の作製に初めて成功したShoukhrat Mitalipov(オレゴン健康科学大学)、フィールドワーク時に女性研究者がセクハラを被る例が多いことを調査によって明らかにし、さまざまな分野の学会を防止対策に走らせたKathryn Clancy(イリノイ大学アーバナシャンペーン校)、ペロブスカイト半導体の使用により太陽電池の効率を大幅にアップすることに成功したHenry Snaith(オックスフォード大学)である。これに加えて、2014年に注目すべき研究者として、高橋政代(理化学研究所;iPS細胞を使った網膜の再生医療の実施)、Chris Field(気候変動に関する政府間パネル;気候変動に関する次回報告書の作成)、Jean-Pierre Bourguignon(欧州研究会議;次期議長としての活動)、Koppillil Radhakrishnan(インド宇宙研究機関総裁;火星探査機などのインド初の火星探査ミッションの推進)、Gordon Sanghera(オックスフォードナノポア主任研究員:ナノポアシーケンサーの開発)を挙げておく。

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