Nature ハイライト

老化:老化の仕方は種によってさまざま

Nature 505, 7482

実験室環境で一定の低死亡率と一定の繁殖率を有する淡水生物ヒドラ(<i>Hydra magnipapillata</i>)。この環境を持続すれば成体の5%が1400年後も生き続けると推定される。
実験室環境で一定の低死亡率と一定の繁殖率を有する淡水生物ヒドラ(Hydra magnipapillata)。この環境を持続すれば成体の5%が1400年後も生き続けると推定される。 | 拡大する

Credit: Ralf Schaible

老化には生殖能力の低下と死亡率の上昇が伴うと通常考えられている。しかし、O Jonesたちがさまざまな動植物の生活史パターンを広く調べた今回の結果によれば、そのような考え方は視野が狭いものだといえるかもしれない。寿命の短い種でも長い種でも、加齢に伴う死亡率および繁殖率の変動は極めて多様で、全ての種に当てはまるような画一的パターンは存在しないことが明らかになったのである。老化と死亡率と繁殖の関係は明らかに複雑であり、概要を把握するには今後さらなる研究が必要である。理論研究では、老化の多様性をさらに的確に捉えることのできるモデルの開発が求められ、実験研究では、さらに多様な種を対象にして解析を行うことが有用だと考えられる。

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