Nature ハイライト
化学:複雑な有機合成のための新たな代替案
Nature 505, 7482
これまで有機合成化学の分野では、炭素–炭素結合や炭素–ヘテロ原子結合を注意深く制御して作製することにより、新しく興味深い分子骨格を生み出そうとしてきた。だが、別の方法もある。今回、I Marekたちは、新規分子骨格を合成するのに、結合の選択的開裂も使用できることを実証している。彼らの手法は、1つの有機金属試薬を用いて、アリルC–H結合とC–C結合の連続活性化反応を経て、複雑な分子骨格を構築するというものである。得られる二官能性求核種は全炭素4級立体中心を持っており、2種類の求電子剤を加えてさらに誘導体化することにより、もっと複雑な分子を合成できる。
2014年1月9日号の Nature ハイライト
老化:老化の仕方は種によってさまざま
材料:グラフェン膜の新たな作製法
電気化学:流動電池とともに歩む
化学:複雑な有機合成のための新たな代替案
海洋:高速拡大海嶺における地殻形成
構造生物学:HIV-1 Vifタンパク質の作用機序
構造生物学:HIV-1 vs 制限因子SAMHD1
生物工学:褐藻類をバイオ燃料原料にする方法
構造生物学:より小さい結晶からタンパク質構造を決定する