Nature ハイライト
生物工学:褐藻類をバイオ燃料原料にする方法
Nature 505, 7482
大型褐藻類は、貴重な耕作地を使用せずに沿岸の海中で栽培が可能という利点があるため、バイオ燃料生産用の原料として有望視されている。しかし、大型褐藻類に最も多く含まれる糖類はアルギン酸、マンニトールおよびグルカンであり、その原料としての能力を十分に発揮させるには、工業用微生物である出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のアルギン酸およびマンニトール異化経路の大幅な再設計が不可欠である。今回の研究で、不完全糸状菌Asteromyces cruciatusの4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソースウロース・ウロン酸輸送体が見つかり、それを用いて、大型褐藻類に特有の糖類を高効率のエタノール発酵で使用することが可能な出芽酵母株が開発された。この人工酵母系は、適切な遺伝的改変を加えれば、他のさまざまなバイオ燃料や再生可能な化学物質の生産に利用することができる。
2014年1月9日号の Nature ハイライト
老化:老化の仕方は種によってさまざま
材料:グラフェン膜の新たな作製法
電気化学:流動電池とともに歩む
化学:複雑な有機合成のための新たな代替案
海洋:高速拡大海嶺における地殻形成
構造生物学:HIV-1 Vifタンパク質の作用機序
構造生物学:HIV-1 vs 制限因子SAMHD1
生物工学:褐藻類をバイオ燃料原料にする方法
構造生物学:より小さい結晶からタンパク質構造を決定する