Nature ハイライト

材料:グラフェン膜の新たな作製法

Nature 505, 7482

グラフェンと呼ばれる原子1個分の厚さの層状の炭素は、大規模技術への応用に理想的な多くの特性を備えている。しかし応用するにはまず、大量に、かつ現実的な価格で入手できるようにしなければならない。これまで、大面積の連続的なグラフェン膜を作製し、次いで最終製品の品質を落とす亀裂、しわや隆起を作らずに、エレクトロニクスへの応用で非常に望ましいシリコンウエハーに積層することはできていなかった。今回、銅の下地の上に高品質のグラフェンを成長させ、次に、銅の下地を金属触媒反応によって除去して、銅の下にあるシリコンウエハー上に完全なグラフェン膜を堆積する過程が開発された。この「対面型」移動の鍵となるのは、滑らかなグラフェン膜の形成を促進するために行う界面活性剤による前処理と、銅が除去されてもグラフェンが基板に付着したままになるようにするための、発生する気泡を利用した毛細管ブリッジの形成である。得られたグラフェンは優れた電子特性を持ち、この対面式移動法はバッチ処理によるグラフェンデバイスの迅速生産に適している。

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