Nature ハイライト
材料:グラフェン膜の新たな作製法
Nature 505, 7482
グラフェンと呼ばれる原子1個分の厚さの層状の炭素は、大規模技術への応用に理想的な多くの特性を備えている。しかし応用するにはまず、大量に、かつ現実的な価格で入手できるようにしなければならない。これまで、大面積の連続的なグラフェン膜を作製し、次いで最終製品の品質を落とす亀裂、しわや隆起を作らずに、エレクトロニクスへの応用で非常に望ましいシリコンウエハーに積層することはできていなかった。今回、銅の下地の上に高品質のグラフェンを成長させ、次に、銅の下地を金属触媒反応によって除去して、銅の下にあるシリコンウエハー上に完全なグラフェン膜を堆積する過程が開発された。この「対面型」移動の鍵となるのは、滑らかなグラフェン膜の形成を促進するために行う界面活性剤による前処理と、銅が除去されてもグラフェンが基板に付着したままになるようにするための、発生する気泡を利用した毛細管ブリッジの形成である。得られたグラフェンは優れた電子特性を持ち、この対面式移動法はバッチ処理によるグラフェンデバイスの迅速生産に適している。
2014年1月9日号の Nature ハイライト
老化:老化の仕方は種によってさまざま
材料:グラフェン膜の新たな作製法
電気化学:流動電池とともに歩む
化学:複雑な有機合成のための新たな代替案
海洋:高速拡大海嶺における地殻形成
構造生物学:HIV-1 Vifタンパク質の作用機序
構造生物学:HIV-1 vs 制限因子SAMHD1
生物工学:褐藻類をバイオ燃料原料にする方法
構造生物学:より小さい結晶からタンパク質構造を決定する