Nature ハイライト
構造生物学:HIV-1 Vifタンパク質の作用機序
Nature 505, 7482
ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)の感染の際に、ウイルスタンパク質であるVifはCBF-β(core-binding factor subunit β)とE3リガーゼ複合体であるCUL5–ELOB–ELOCを同時に乗っ取ることで宿主の抗ウイルス因子の活性を阻害する。だが、この阻害がどのようにして起こるのか、その仕組みは不明であった。今回Z Huangたちは、Vif–CBF-β–CUL5–ELOB–ELOC複合体の結晶構造を決定し、VifがSOCS2とよく似たやり方でCUL5およびELOCと相互作用することを見いだした。Vifタンパク質はHIV-1複製に不可欠であるため、抗ウイルス薬開発のための重要な標的となる。またその作用機序の詳細が今回報告されたことは、Vifとこの五量体複合体の両方を標的とできる新規薬剤の設計に役立ちそうだ。
2014年1月9日号の Nature ハイライト
老化:老化の仕方は種によってさまざま
材料:グラフェン膜の新たな作製法
電気化学:流動電池とともに歩む
化学:複雑な有機合成のための新たな代替案
海洋:高速拡大海嶺における地殻形成
構造生物学:HIV-1 Vifタンパク質の作用機序
構造生物学:HIV-1 vs 制限因子SAMHD1
生物工学:褐藻類をバイオ燃料原料にする方法
構造生物学:より小さい結晶からタンパク質構造を決定する