Nature ハイライト
がん:がん免疫療法の新たな標的
Nature 506, 7486
免疫療法はがん研究における重要な領域であり、最近の研究で、T細胞上の抑制性受容体を標的とすることが、進行がん患者の治療に有効である可能性が示されている。この分野の大きな問題は、治療標的候補の発見が難しいことである。K Wucherpfennigたちは、短鎖ヘアピンRNA(shRNA)スクリーニング法を使ってin vivoで治療標的を見いだす方法は実際に役立つことを示し、腫瘍のできているマウスで腫瘍浸潤性CD8+ T細胞の働きを修飾する遺伝子群を明らかにした。そして、ホスファターゼの調節サブユニットPpp2r2dが標的の1つであることを突き止め、T細胞でPpp2r2dをノックダウンすると、T細胞が腫瘍中に蓄積できるようになり、腫瘍の増殖が著しく遅くなることを示している。
2014年2月6日号の Nature ハイライト
古生態学:ケナガマンモスが歩き回っていた場所
がん:がん免疫療法の新たな標的
微生物学:海洋微生物の化学的多様性
素粒子物理学:パリティを破る非対称性を再検証する
量子物理学:多原子時計の基準を高める
生態:植物の敵が生物多様性を高める
心理学:ピア・レビューに対するピア・プレッシャー
構造生物学:タンパク質透過チャネルの構造
分子生物学:アプラタキシンのゲノム保護作用