Nature ハイライト
分子生物学:アプラタキシンのゲノム保護作用
Nature 506, 7486
DNA複製やDNA修復では、時折、デオキシリボヌクレオチドではなくリボヌクレオチドが、ポリマーに挿入されることがある。これを修復するために、まずRNアーゼH2がRNA–DNA接合部を切断する。しかし、この切れ目は、DNAリガーゼが苦手とする基質であり、しばしば異常な5′アデニル化末端が形成される。S Williamsたちは、DNA鎖切断修復タンパク質であるアプラタキシンが、この5′-AMPをこのようなRNA–DNA接合部から除去できることを示している。このRNA–DNA損傷応答は、細胞の生存を促進する。アプラタキシンをコードするAPTX遺伝子に変異が生じると、神経疾患AOA1(ataxia oculomotor apraxia-1)が引き起こされることから、今回の結果は、DNA中のリボヌクレオチドに毒性のアデニル化5′末端が蓄積すると、神経疾患の原因となり得ることを示唆している。
2014年2月6日号の Nature ハイライト
古生態学:ケナガマンモスが歩き回っていた場所
がん:がん免疫療法の新たな標的
微生物学:海洋微生物の化学的多様性
素粒子物理学:パリティを破る非対称性を再検証する
量子物理学:多原子時計の基準を高める
生態:植物の敵が生物多様性を高める
心理学:ピア・レビューに対するピア・プレッシャー
構造生物学:タンパク質透過チャネルの構造
分子生物学:アプラタキシンのゲノム保護作用