Nature ハイライト

地球化学:火星の硫黄化学

Nature 508, 7496

火星の地表面とそれを覆う薄い大気。
火星の地表面とそれを覆う薄い大気。 | 拡大する

Credit: NASA

火星表面に働く地表面過程と地殻物質のマグマ同化に関しては多くの問題がまだ残っており、硫黄化学は火星でのこれらの問題と他の現象にとって重要である。今回、40個の火星隕石に対する新しい硫黄同位体分析から、大気硫黄化学、とりわけ隕石の硫化物や硫酸塩内に保存された光化学過程が、地球上で見られるものとは大きく異なることが示唆されている。このデータからは、火星マグマへの硫黄同化が火星史の大部分を通じて広く生じていたことを示唆する証拠が得られた。従って、硫黄の同位体分類学は、他の同位体系と微量元素の特性に対するデータと共に使うと、火星の地質学的歴史を再構成するための強力な手段になると考えられる。

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