Nature ハイライト
細胞生物学:細胞でのミトコンドリア保護対策
Nature 508, 7496
呼吸を介してエネルギーを発生させる細胞小器官であるミトコンドリアが損傷を受けると、さまざまな保護プログラムが起動される。しかし、ミトコンドリアの機能を監視し、保護策と結び付けるシグナル伝達経路についてはほとんど分かっていない。今回G Ruvkunたちは、線虫(Caenorhabditis elegans)のゲノム全体にわたってRNA干渉スクリーニングを行い、ミトコンドリアの薬剤による破壊、あるいは遺伝学的破壊の後に起動する保護経路の上向き調節に関わる遺伝子を45個明らかにした。これらの遺伝子によって影響を受け、ミトコンドリアの監視に関わる経路には、シグナル伝達物質に関わる脂質のセラミドの生合成経路やメバロン酸経路が含まれ、メバロン酸経路はコレステロールを抑えるスタチン系薬物によって阻害される。
2014年4月17日号の Nature ハイライト
有機化学:エナンチオ選択的第四級立体中心の合成
遺伝学:ダウン症候群の遺伝学的全体像
神経科学:精密な運動を制御する脳幹の回路
地球化学:火星の硫黄化学
物理:ジョセフソン接合における準粒子散逸
材料:SnSe結晶の優れた熱電性能
気候科学:湿潤気候と乾燥気候の南北でのシーソー状態は中緯度域でも見られる
システム生物学:ノイズに耐える人工生物回路
細胞生物学:細胞でのミトコンドリア保護対策