Nature ハイライト

細胞生物学:細胞でのミトコンドリア保護対策

Nature 508, 7496

呼吸を介してエネルギーを発生させる細胞小器官であるミトコンドリアが損傷を受けると、さまざまな保護プログラムが起動される。しかし、ミトコンドリアの機能を監視し、保護策と結び付けるシグナル伝達経路についてはほとんど分かっていない。今回G Ruvkunたちは、線虫(Caenorhabditis elegans)のゲノム全体にわたってRNA干渉スクリーニングを行い、ミトコンドリアの薬剤による破壊、あるいは遺伝学的破壊の後に起動する保護経路の上向き調節に関わる遺伝子を45個明らかにした。これらの遺伝子によって影響を受け、ミトコンドリアの監視に関わる経路には、シグナル伝達物質に関わる脂質のセラミドの生合成経路やメバロン酸経路が含まれ、メバロン酸経路はコレステロールを抑えるスタチン系薬物によって阻害される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度