Nature ハイライト
材料:SnSe結晶の優れた熱電性能
Nature 508, 7496
熱電材料は、廃熱を電気エネルギーに変換する実用的な手段として有望だが、既存材料のエネルギー変換効率は低い傾向にある。材料の熱電効率向上に対する主な障害は、電気伝導率と熱伝導率に一般的な相互依存性に起因する。高い熱電効率は、高い電気伝導率と低い熱伝導率を必要とする。そうした組み合わせを実現可能と考えられる1つの方法が、ナノ構造化である。今回、L Zhaoたちは、高い電気伝導率と低い熱伝導率を併せ持つと思われる単純な層状結晶材料セレン化スズ(SnSe)について報告している。著者たちは、SnSeの高い熱電性能の原因と考えられる結合構造の特徴を特定し、こうした特徴が、高い熱電性能を持ち得る別の材料候補を発見するのに役立つ可能性があることを示している。
2014年4月17日号の Nature ハイライト
有機化学:エナンチオ選択的第四級立体中心の合成
遺伝学:ダウン症候群の遺伝学的全体像
神経科学:精密な運動を制御する脳幹の回路
地球化学:火星の硫黄化学
物理:ジョセフソン接合における準粒子散逸
材料:SnSe結晶の優れた熱電性能
気候科学:湿潤気候と乾燥気候の南北でのシーソー状態は中緯度域でも見られる
システム生物学:ノイズに耐える人工生物回路
細胞生物学:細胞でのミトコンドリア保護対策