Nature ハイライト
細胞生物学:マイクロRNAと呼吸器疾患
Nature 510, 7503
miR-34/449ファミリーの6個のマイクロRNA(miRNA)は高い類似性を持つ。これらの機能は重複しているため、おのおのの特異的な生物学的役割を決定することは難しい。L Heたちは今回、6個のmiR-34/449 miRNAを全て欠損したマウスから得たデータを報告している。これらのマウスでは、新生仔死亡、原発性繊毛ジスキネジアの一部の患者で見られる呼吸器合併症に似た呼吸機能障害および不妊がしばしば起こる。この原因となる主な異常は、気道の細胞の繊毛が短く、数が少ないことであり、これは主に基底小体の欠陥により頂端側細胞膜にうまく結合できないことによる。著者たちが明らかにしたmiR-34/449 miRNAの57個の標的候補の中の1つは、繊毛の会合を抑制する中心小体タンパク質Cp110である。興味深いことに、呼吸器疾患に関連したCp110発現レベルの異常がすでに報告されている。
2014年6月5日号の Nature ハイライト
生体材料:注文に合わせて多成分タンパク質を設計する
進化:他とはちょっと違う有櫛動物
細胞生物学:マイクロRNAと呼吸器疾患
生化学:ヒトGLUT1グルコース輸送体の構造
宇宙:活動銀河核ジェットを駆動する強力な磁場
化学:新しいC–H結合の活性化法
気候科学:南極氷床の減少史
栄養:大気CO2濃度が上昇すると作物の栄養素が減少する
細胞生物学:リン酸化ユビキチンはパーキンの活性化因子である