Nature ハイライト
化学:新しいC–H結合の活性化法
Nature 510, 7503
C–H結合の活性化は化学合成の中核的領域であり、化学合成が進歩し続けるためには新しい活性化モードの発見が極めて重要である。今回、速度論的に有利な五員環中間体ではなく、四員環シクロパラジウム化を経て進むパラジウム触媒C–H結合の活性化モードが報告された。この活性化を利用すると、保護されていない第二級アミンの隣に存在するメチル基が、合成面で汎用性のある窒素ヘテロ環へと選択的に変換される。これまで知られていなかったこの結合切断方法の応用範囲の広さは、アジリジン合成につながるC–Hアミノ化過程の開発とβ-ラクタムの合成につながるC–Hカルボニル化過程の開発を通して明らかにされている。
2014年6月5日号の Nature ハイライト
生体材料:注文に合わせて多成分タンパク質を設計する
進化:他とはちょっと違う有櫛動物
細胞生物学:マイクロRNAと呼吸器疾患
生化学:ヒトGLUT1グルコース輸送体の構造
宇宙:活動銀河核ジェットを駆動する強力な磁場
化学:新しいC–H結合の活性化法
気候科学:南極氷床の減少史
栄養:大気CO2濃度が上昇すると作物の栄養素が減少する
細胞生物学:リン酸化ユビキチンはパーキンの活性化因子である