Nature ハイライト
細胞生物学:リン酸化ユビキチンはパーキンの活性化因子である
Nature 510, 7503
小型のタンパク質であるユビキチンは、翻訳後修飾での役割がよく知られており、それは他のタンパク質に結合して、その活性や安定性を調節することによっている。今回、ユビキチンがキナーゼであるPINK1の基質であることが示された。PINK1は、ユビキチンリガーゼであるパーキンと共に、劣性遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子である。松田憲之(東京都医学総合研究所)たちは、ミトコンドリアの膜電位が低下した後、PINK1がユビキチンの65番目のセリン残基をリン酸化することを示した。次に、このリン酸化されたユビキチンはパーキンと相互作用し、パーキンもPINK1によってリン酸化される。これらの相互作用によって、パーキンの酵素活性の完全な活性化が可能になり、ミトコンドリアに存在する基質へユビキチンを連結できるようになる。
2014年6月5日号の Nature ハイライト
生体材料:注文に合わせて多成分タンパク質を設計する
進化:他とはちょっと違う有櫛動物
細胞生物学:マイクロRNAと呼吸器疾患
生化学:ヒトGLUT1グルコース輸送体の構造
宇宙:活動銀河核ジェットを駆動する強力な磁場
化学:新しいC–H結合の活性化法
気候科学:南極氷床の減少史
栄養:大気CO2濃度が上昇すると作物の栄養素が減少する
細胞生物学:リン酸化ユビキチンはパーキンの活性化因子である