Nature ハイライト
栄養:大気CO2濃度が上昇すると作物の栄養素が減少する
Nature 510, 7503
食用作物に含まれる亜鉛や鉄などの重要な栄養素の濃度は、大気CO2濃度の上昇に伴って低下することが示唆されている。しかし、この傾向を見いだしていない研究もあり、CO2増加に伴う栄養素の減少を示唆した研究の中にも、野外ではない条件下で行われたり、作物の可食部に着目していないものがあった。今回S Myersたちは、開放系大気CO2増加実験からこれまでで最大規模のデータセットを収集し、今世紀の半ばに予測されている高いCO2濃度条件の下では、実際にC3植物のイネ科穀類とマメ類の亜鉛および鉄レベルが低下することを明らかにした。C4光合成経路を用いる作物への影響は、より小さい。今回の知見は、高いCO2濃度への感受性を低下させるための品種改良が、世界各地で公衆衛生上の重要な優先課題となる可能性を示唆している。
2014年6月5日号の Nature ハイライト
生体材料:注文に合わせて多成分タンパク質を設計する
進化:他とはちょっと違う有櫛動物
細胞生物学:マイクロRNAと呼吸器疾患
生化学:ヒトGLUT1グルコース輸送体の構造
宇宙:活動銀河核ジェットを駆動する強力な磁場
化学:新しいC–H結合の活性化法
気候科学:南極氷床の減少史
栄養:大気CO2濃度が上昇すると作物の栄養素が減少する
細胞生物学:リン酸化ユビキチンはパーキンの活性化因子である