Nature ハイライト
気候科学:南極氷床の減少史
Nature 510, 7503
約2万年前の最終氷期極大期以降、全球の海水準は100 m以上上昇しており、数メートル以上の上昇をもたらす融解水のパルスは複数回生じている。これらの中で最も劇的な融解水パルス1Aでは、1万4600年前に海水準が約16 m上昇した。この大きさの海水準上昇は、南極が大きく関わっていたことを強く示唆しているが、今日まで確かな物理的証拠はなかった。今回M Weberたちは、スコシア海で得られた氷山が運んだ岩屑の記録を提示し、1万9000年前という早い時期に南極から氷山がパルス的に放出されたことを示す明瞭な証拠を明らかにしている。最大の氷山の放出は、融解水パルス1Aの間に起きており、この海水準の急上昇に対する南極の寄与について、長く探し求められていた確証が得られた。
2014年6月5日号の Nature ハイライト
生体材料:注文に合わせて多成分タンパク質を設計する
進化:他とはちょっと違う有櫛動物
細胞生物学:マイクロRNAと呼吸器疾患
生化学:ヒトGLUT1グルコース輸送体の構造
宇宙:活動銀河核ジェットを駆動する強力な磁場
化学:新しいC–H結合の活性化法
気候科学:南極氷床の減少史
栄養:大気CO2濃度が上昇すると作物の栄養素が減少する
細胞生物学:リン酸化ユビキチンはパーキンの活性化因子である