Nature ハイライト
物理学:絞り込まれたニュートリノ質量
Nature 510, 7504
ニュートリノは奇妙な素粒子である。素粒子物理学の標準模型によれば、ニュートリノの質量はゼロとなるはずである。しかし実験結果はニュートリノが質量を確かに持つことを示しており、これは、ニュートリノがマヨラナフェルミオン、すなわちそれ自体が自身の反粒子である素粒子だと仮定すれば自然に説明がつく。この仮説を証明する方法の1つは、複数種の原子核で起こり得る核過程である、ニュートリノが放出されない二重β崩壊の観測であろう。今回、EXO-200検出器による新たな高曝露(high-exposure)データに基づいて、希ガス同位体キセノン136でのこの過程に対して、半減期限界が1.1 × 1025年と定められた。この限界によって、キセノン136は、ニュートリノが放出されない二重β崩壊を探索する重要なテストベッドとなることが確かめられた。
2014年6月12日号の Nature ハイライト
物理学:絞り込まれたニュートリノ質量
免疫学:ヒト幹細胞の遺伝子編集
分子生物学:DNA二本鎖切断の制御
宇宙:ALMAが暗黒γ線バーストに投げ掛ける新たな光
材料:すごく硬くて安定なナノ双晶ダイヤモンド
気候科学:予測されるインド洋の極端な気候
がん:SMYD3は抗がん剤の標的である
免疫学:新規な免疫不全症
構造生物学:ヘリカーゼとポリメラーゼの協調