Nature ハイライト
Cover Story:早くから始まっていた適応:最初期ステム哺乳類での食餌の特殊化
Nature 512, 7514
表紙は、現在のグラモーガン郡(英国ウェールズ南部)にある小島に共存していたジュラ紀前期の代表的な原始的哺乳類「モルガヌコドン」と「キューネオテリウム」が、好物の餌を狩っているところを描いたJohn Sibbickのイラストである。約2億年前の三畳紀後期およびジュラ紀前期に生息していたごく最初期の哺乳類は小型で、広食性の昆虫食者と考えられている場合が多い。今回、モルガヌコドンおよびキューネオテリウムについて詳細な研究が行われ、出現して間もない時期にニッチ分割と食餌の特殊化が進捗していたことが分かった。歯の摩耗および顎の生体力学的特徴の分析から、モルガヌコドンが強力な顎を持ち甲虫類のような硬い食べ物をかみ砕くことができた一方で、キューネオテリウムは表紙に描かれているシリアゲムシのような軟らかめの餌動物をぱくっと食べるのに適応していたことが明らかになった。
2014年8月21日号の Nature ハイライト
分子生物学:リボソームフレームシフトによる免疫応答の微調整
構造生物学:GABAA受容体の構造
構造生物学:セロトニン5-HT3受容体の構造
物理:二原子分子を三次元的に閉じ込める
地球:2014年イキケ地震の検証
古人類学:ネアンデルタール人の緩やかな排除
生物地球化学:ウィランズ氷底湖に生息する豊富な微生物
細胞:胚の造血幹細胞