Nature ハイライト
物理:二原子分子を三次元的に閉じ込める
Nature 512, 7514
レーザー冷却を使って原子を絶対零度に近い温度まで冷却し、次いで磁気光学トラップに閉じ込めるという手法については、この10年間で新型の原子時計から新種の量子物質まで、幅広い応用が可能になった。分子は内部構造が複雑であり、現行の磁気光学トラッピング法が有効でないため、こうした手法の分子への適用はまた別の難問である。今回D McCarronたちは、一フッ化ストロンチウムを用い、二原子分子を三次元磁気光学トラップに初めて閉じ込めてみせた。この方法は、原子を閉じ込める磁気光学トラップを拡張したものだが、原子トラップにはほとんど用いられない遷移を利用している。トラップされた分子は、基本定数の高精度測定や極低温化学研究の理想的な出発点となる。
2014年8月21日号の Nature ハイライト
分子生物学:リボソームフレームシフトによる免疫応答の微調整
構造生物学:GABAA受容体の構造
構造生物学:セロトニン5-HT3受容体の構造
物理:二原子分子を三次元的に閉じ込める
地球:2014年イキケ地震の検証
古人類学:ネアンデルタール人の緩やかな排除
生物地球化学:ウィランズ氷底湖に生息する豊富な微生物
細胞:胚の造血幹細胞