Nature ハイライト
構造生物学:セロトニン5-HT3受容体の構造
Nature 512, 7514
神経伝達物質のセロトニンが5-HT3受容体へ結合すると、チャネルが開き、興奮応答が引き起こされる。今回、マウスのセロトニン5-HT3受容体のX線結晶構造が初めて報告された。全体的な構造は他のCys(システイン)ループ型受容体と似ているが、輸送やシナプスへの局在、細胞質のタンパク質による調節に重要な細胞質ドメインの一部について、電子密度を「見る」ことができた。これは、以前の構造では見えていなかった部分である。5-HT3受容体のアンタゴニストは制吐薬であり(化学療法の際などに用いられる)、また過敏性腸症候群の治療にも使われているので、今回の研究は新規治療薬の設計に役立つと考えられる。
2014年8月21日号の Nature ハイライト
分子生物学:リボソームフレームシフトによる免疫応答の微調整
構造生物学:GABAA受容体の構造
構造生物学:セロトニン5-HT3受容体の構造
物理:二原子分子を三次元的に閉じ込める
地球:2014年イキケ地震の検証
古人類学:ネアンデルタール人の緩やかな排除
生物地球化学:ウィランズ氷底湖に生息する豊富な微生物
細胞:胚の造血幹細胞