Nature ハイライト

構造生物学:セロトニン5-HT3受容体の構造

Nature 512, 7514

神経伝達物質のセロトニンが5-HT3受容体へ結合すると、チャネルが開き、興奮応答が引き起こされる。今回、マウスのセロトニン5-HT3受容体のX線結晶構造が初めて報告された。全体的な構造は他のCys(システイン)ループ型受容体と似ているが、輸送やシナプスへの局在、細胞質のタンパク質による調節に重要な細胞質ドメインの一部について、電子密度を「見る」ことができた。これは、以前の構造では見えていなかった部分である。5-HT3受容体のアンタゴニストは制吐薬であり(化学療法の際などに用いられる)、また過敏性腸症候群の治療にも使われているので、今回の研究は新規治療薬の設計に役立つと考えられる。

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