Nature ハイライト
細胞:胚の造血幹細胞
Nature 512, 7514
脊椎動物発生中の造血幹細胞(HSC)の産生に体節が関与することが、2つの論文によって示された。体節とは、胚の前後軸に沿って形成される一対の中胚葉細胞集団を指す。P Nguyenたちは、これまでに知られていなかった体節区画を明らかにし、エンドトーム(endotome)と名付けた。エンドトームは内皮前駆細胞を供給することにより胚の背側大動脈の形成に寄与する。エンドトームの形成は、ホメオボックスを持つ転写因子Meox1の活性により調節される。小林功(米国カリフォルニア大学サンディエゴ校)たちは、HSCの前駆細胞が胚期の移動中に体節と直接接触すること、そしてその相互作用は必須のNotchシグナルを受容するために必要であることを報告している。彼らはHSC前駆細胞で発現するJam1aと、体節で発現するJam2aという2つの接着分子が接触を担っていることを明らかにした。
2014年8月21日号の Nature ハイライト
分子生物学:リボソームフレームシフトによる免疫応答の微調整
構造生物学:GABAA受容体の構造
構造生物学:セロトニン5-HT3受容体の構造
物理:二原子分子を三次元的に閉じ込める
地球:2014年イキケ地震の検証
古人類学:ネアンデルタール人の緩やかな排除
生物地球化学:ウィランズ氷底湖に生息する豊富な微生物
細胞:胚の造血幹細胞