Nature ハイライト
地球:2014年イキケ地震の検証
Nature 512, 7514
今回2つのグループによって、2014年4月1日にチリ北部沖で起きたイキケ地震の地震学的状況が解析されている。この地震は、1877年の大地震以降、地震活動が静穏化していた地震帯で起こった。G Hayesたちは、この地区の巨大逆断層に沿って地震災害の危険性が残っている地域と増大している地域を特定し、2014年イキケ地震は予想されていた地震とは異なっていると結論している。チリ北部沈み込み帯の大部分が約150年間破壊されていなかったことから、将来の巨大地震は2014年イキケ地震活動の南部で発生すると考えられ、北部で起きる可能性もあると示唆されている。B Schurrたちは、2014年4月の地震は、過去100年の間破壊されていなかった南アメリカプレート境界の最後の主要部分である、「チリ北部地震空白域」の中央部を破壊したことを示している。2013年7月からこの4月の地震までに、プレート境界のこの部分に沿って、3回の群発地震が特定されている。これらの群発地震は、それぞれ2~3週間続き、地震の最大マグニチュードが増加していた。Schurrたちは、こうした群発地震とすべりの過渡変動は、地震空白域中央部の緩やかな弱化を反映していて、これが最終的な破壊の開始を助けたと結論している。
2014年8月21日号の Nature ハイライト
分子生物学:リボソームフレームシフトによる免疫応答の微調整
構造生物学:GABAA受容体の構造
構造生物学:セロトニン5-HT3受容体の構造
物理:二原子分子を三次元的に閉じ込める
地球:2014年イキケ地震の検証
古人類学:ネアンデルタール人の緩やかな排除
生物地球化学:ウィランズ氷底湖に生息する豊富な微生物
細胞:胚の造血幹細胞