Nature ハイライト

ゲノミクス:遺伝子調節回路の比較マッピング

Nature 512, 7515

ショウジョウバエと線虫は、ヒトの生物学的研究の主要モデルとして長らく調べられてきた。遺伝子調節の進化的保存に関しては、これまで主に個々のDNAエレメントや因子に注目した研究が行われてきた。modENCODEコンソーシアムは、転写調節特性の基本原理の大規模な比較解析を行うことを目的としている。そして今回、ヒトで165個、線虫で93個、ショウジョウバエで52個の転写調節因子の結合部位について、さまざまな細胞種、発生段階および条件下でゲノム規模でのマッピングが行われた。総合的に見ると、個々の因子でこれまで観察されていた遺伝子調節特性が後生動物における遺伝子調節の一般的な原理であり、このような原理は、個々の調節ネットワーク接続の機能的分岐が大きいにもかかわらず極めてよく保存されていることが明らかになった。この遺伝子調節回路の比較マップは、モデル生物の生物学的特性の調節基盤がどのようにヒトの生物学的特性、発生および疾病と関連するのかを解明する助けとなるだろう。

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