Nature ハイライト
Cover Story:人種のるつぼだった古代ヨーロッパ:現生ヨーロッパ人の3つの祖先集団
Nature 513, 7518
ヨーロッパでは8000年前から7000年前にかけて農業への移行が起こったが、この1000年間をつなぐように生存していたと思われる古代ヨーロッパ人9個体のゲノムの塩基配列の解読と比較が、D Reichたちによって行われた。彼らは、現生ヨーロッパ人の大部分が、少なくとも3つの高度に分化した集団、すなわち、西ヨーロッパ狩猟採集民、古代北ユーラシア人(後期旧石器時代のシベリア人に遺伝学的に近縁)、および主に近東起源の初期ヨーロッパ農耕民に由来していることを明らかにしている。さらに、初期ヨーロッパ農耕民の祖先の約44%は、他の非アフリカ人系統が多様化する前に分岐した「基部系統ユーラシア人」集団に由来すると、彼らは考えている。これらの結果は、近東人農耕民とヨーロッパ狩猟採集民の混血が、いつ、どこで起こり、結果として初期ヨーロッパ農耕民が生じたのかという問題など、新たな疑問を投げかけている。
2014年9月18日号の Nature ハイライト
化学:有機ホウ素化合物の新しい合成法
ゲノム進化:シクリッドのゲノムに見られる適応放散のしるし
がん:大腸がんのプロテオミクス/ゲノミクス
細胞生物学:ヒト分裂後期促進複合体の構造
宇宙:小さい銀河にもあった超大質量ブラックホール
地球:拡大する大陸がプレートテクトニクスの呼び水となった
動物行動学:チンパンジーは生まれつき攻撃的である
実験進化学:抗生物質耐性のカギとなる遅滞期
発生学:細胞系譜樹
神経科学:恐怖と報酬間の記憶の切り替え