Nature ハイライト
がん:大腸がんのプロテオミクス/ゲノミクス
Nature 513, 7518
今回、Clinical Proteomic Tumor Analysis Consortiumに属する研究チームの1つが、以前にがんゲノムアトラスのプロジェクトで特徴付けが行われた95の結腸腫瘍および直腸腫瘍の検体について、プロテオームを解析した。このプロテオミクスのデータを先に得られているゲノムデータと統合することで、タンパク質量はDNAあるいはRNAレベルの測定値からは確実な予測ができないこと、またmRNAとタンパク質のレベルは中程度に相関することが実証された。プロテオミクスからは、既知の生物学的特性を示す5つの大腸がんサブタイプが明らかになり、さらにトランスクリプトームレベルでは明らかでない差異も捉えられている。このタイプの統合プロテオゲノミクス解析は、がんの生物学的研究に関してゲノム異常を解釈する際の機能的背景を提供すると考えられる。
2014年9月18日号の Nature ハイライト
化学:有機ホウ素化合物の新しい合成法
ゲノム進化:シクリッドのゲノムに見られる適応放散のしるし
がん:大腸がんのプロテオミクス/ゲノミクス
細胞生物学:ヒト分裂後期促進複合体の構造
宇宙:小さい銀河にもあった超大質量ブラックホール
地球:拡大する大陸がプレートテクトニクスの呼び水となった
動物行動学:チンパンジーは生まれつき攻撃的である
実験進化学:抗生物質耐性のカギとなる遅滞期
発生学:細胞系譜樹
神経科学:恐怖と報酬間の記憶の切り替え