Nature ハイライト

がん:大腸がんのプロテオミクス/ゲノミクス

Nature 513, 7518

今回、Clinical Proteomic Tumor Analysis Consortiumに属する研究チームの1つが、以前にがんゲノムアトラスのプロジェクトで特徴付けが行われた95の結腸腫瘍および直腸腫瘍の検体について、プロテオームを解析した。このプロテオミクスのデータを先に得られているゲノムデータと統合することで、タンパク質量はDNAあるいはRNAレベルの測定値からは確実な予測ができないこと、またmRNAとタンパク質のレベルは中程度に相関することが実証された。プロテオミクスからは、既知の生物学的特性を示す5つの大腸がんサブタイプが明らかになり、さらにトランスクリプトームレベルでは明らかでない差異も捉えられている。このタイプの統合プロテオゲノミクス解析は、がんの生物学的研究に関してゲノム異常を解釈する際の機能的背景を提供すると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度