Nature ハイライト
化学:有機ホウ素化合物の新しい合成法
Nature 513, 7518
今回、2つの単純な不飽和分子を組み合わせる触媒過程が報告されている。この過程では、選択性が高い銅–二ホウ素試薬と一置換アレンからホウ素置換有機銅中間体が生じ、次にこの中間体が化学選択的、サイト選択的、エナンチオ選択的なアリル置換に関与する。著者たちは、この手法をグラム量の2つの天然物のエナンチオ選択的合成に使っている。1つは抗がん剤のハーボキシジエン、もう1つは純粋な立体異性体のロットネストールである。ロットネストールは、もともとは海綿から単離されたヘミケタールである。この合成手法をさらに展開させれば、他の入手困難なアルケニルホウ素基含有有機銅化合物を合成する経済的なプロトコルが得られると考えられる。
2014年9月18日号の Nature ハイライト
化学:有機ホウ素化合物の新しい合成法
ゲノム進化:シクリッドのゲノムに見られる適応放散のしるし
がん:大腸がんのプロテオミクス/ゲノミクス
細胞生物学:ヒト分裂後期促進複合体の構造
宇宙:小さい銀河にもあった超大質量ブラックホール
地球:拡大する大陸がプレートテクトニクスの呼び水となった
動物行動学:チンパンジーは生まれつき攻撃的である
実験進化学:抗生物質耐性のカギとなる遅滞期
発生学:細胞系譜樹
神経科学:恐怖と報酬間の記憶の切り替え