Nature ハイライト
がん:腫瘍関連マクロファージができるまで
Nature 513, 7519
腫瘍関連マクロファージ(TAM)は、さまざまな機構を介して腫瘍形成を促進すると考えられているが、腫瘍とマクロファージの間のコミュニケーションシグナルについてはあまり分かっていない。今回、腫瘍由来の乳酸が血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の発現を誘発し、TAMで活性化状態またはM2マクロファージ様状態への選択的な表現型の分極化を誘導することが示された。乳酸の作用は、低酸素誘導因子1αを介しており、アルギナーゼ1の発現および腫瘍増殖と関連している。これらの知見は、マクロファージと腫瘍細胞の間のコミュニケーションの方法を明らかにするもので、これは正常組織で恒常性を促進する系が変形したものである可能性が非常に高い。
2014年9月25日号の Nature ハイライト
気候:温室世界におけるモンスーンの状況
医学:骨成長を回復させるスタチンの効果
がん:治療標的としてのPI3K
構造生物学:真核生物リボソーム阻害の機構
宇宙:海王星サイズの系外惑星にあった水蒸気
生態学:低酸素海洋水中の硫黄
地球:岩盤峡谷に対する新しい見方
植物科学:藻類のRubiscoを作物に導入する
がん:腫瘍関連マクロファージができるまで
免疫:インターロイキン33はTreg細胞機能を促進する