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Cover Story:熱帯で見つかった氷河期の芸術:インドネシアの洞窟壁画は、更新世後期の世界の両端に具象芸術が存在したことを示している

Nature 514, 7521

バビルサ(シカイノシシ)の絵と手形ステンシル。
バビルサ(シカイノシシ)の絵と手形ステンシル。 | 拡大する

Credit: Kinez Riza

表紙は、インドネシアのスラウェシ島の洞窟で見つかった壁画で、小型の水牛の一種であるアノアとヒトの手形が描かれている。今回新たに、これらの壁画の年代が決定され、現生人類の知能的および文化的進化で重要な段階の中心は西ヨーロッパであったという従来の見方に疑問が投げ掛けられた。従来のこうした考え方は、ほぼ4万年前の洞窟絵画や彫刻に見られる具象的、または形象的な芸術の出現に主に基づいている。インドネシア・スラウェシ島のマロス県にあるカルスト地帯の洞窟群で発見された手形と野生動物の壁画に関して新たに得られた年代データは、更新世後期の世界ではその両端に当たる場所でほぼ同じ年代に具象芸術が出現したことを示唆している。それとも、それらの年代より数万年前に、最初のホモ・サピエンスとともに彼らが描く洞窟壁画がアフリカから他の地域へと広がったのだろうか。

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