Nature ハイライト
がん:CHARGE症候群は活性化したp53により促進される
Nature 514, 7521
CHARGE症候群と呼ばれる複雑な先天性疾患は、心奇形、成長や発達の遅滞、性器の発育不全、耳の異常など、多くの表現型を引き起こす。CHARGE症候群の患者の多くは、クロマチンリモデリングタンパク質CHD7遺伝子に変異があるが、マウスではChd7変異は胚性致死であり、CHARGE症候群の全ての表現型を示すかどうかは確かめられていない。今回、L Attardiたちは、p53腫瘍抑制遺伝子の、発生中の不適切な活性化が、マウスでCHARGE表現型を促進し得ることを示した。この表現型には眼のコロボームや、外耳と内耳両方の異常が含まれ、これらはCHARGE症候群で典型的だが、他の疾患ではまれにしか見られない。p53変異が、がんと発生疾患の両方を促すという発見は、in vivoでのp53の機能に新たな光を投げ掛けるものである。
2014年10月9日号の Nature ハイライト
微生物学:人工甘味料の有害な影響
免疫:自然免疫ではカスパーゼがセンサーの役割を果たす
構造生物学:RNAのラリアット構造を解く
宇宙:超高輝度X線源を動かしているものは何か
物性:WTe2の巨大な磁気抵抗
顕微鏡学:電子顕微鏡内で振動分光
大気化学:中国の大気中の煙霧の原因は何か?
がん:CHARGE症候群は活性化したp53により促進される
構造生物学:Dis3l2の構造の解明