Nature ハイライト

Cover Story:きらびやかな獲物:宝石のような隕石は小惑星の磁場が消滅する過程を捉えている

Nature 517, 7535

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Credit: Natural History Museum, London

表紙のエスケルパラサイト隕石は、今まで見つかった隕石の中で、最も美しいものと言える。この隕石は、鉄–ニッケル合金の金属基質内に埋め込まれたケイ酸塩鉱物であるカンラン石のセンチメートルスケールの宝石質結晶からなる。パラサイト(石鉄隕石)は、太陽系の誕生直後に液体金属核とそれを取り囲む固体のケイ酸塩マントルに分化した半径200 km程度の母天体を起源とすると考えられている。J Brysonたちは、エスケルとイミラックの2つのパラサイトの鉄–ニッケル基質の高分解能磁気イメージングを行い、混ざり合って成長したナノメートルスケールの鉄に富んだ相とニッケルに富んだ相に刻まれた、パラサイト母天体での磁気活動の時系列記録を明らかにした。この記録には、液体核が凝固するにつれて発生した磁場が消滅していく過程が捉えられており、組成対流によって駆動される長期間持続する磁気ダイナモの存在を示す証拠となる。

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