Nature ハイライト
細胞生物学:Meikinタンパク質は染色体分配を調節する
Nature 517, 7535
生殖細胞を生み出す減数第一分裂では、姉妹動原体が同一の紡錘体極からの微小管に捕らえられることで、姉妹染色分体を同じ娘細胞へ分配することができる。今回、渡邊嘉典(東京大学)たちは、MEIKINが、長い間追い求められてきた減数分裂特異的な動原体因子であり、マウス生殖細胞の減数第一分裂で一方向性を確保し、姉妹染色分体の接着を保護していることを見いだした。MEIKINは主に、キナーゼであるPLK1を動原体に誘導することで作用する。以前に明らかにされた出芽酵母タンパク質のSpo13と分裂酵母タンパク質のMoa1は、MEIKINの機能的ホモログであることが示され、著者たちはこれらが減数第一分裂特異的動原体因子の「Meikin」ファミリーを形成しているのではないかと考えている。
2015年1月22日号の Nature ハイライト
有機化学:安定な金(III)系触媒
創薬:二重に作用する強力な抗生物質テイクソバクチン
細胞生物学:エンドサイトーシスと細胞のシグナル伝達
細胞生物学:Meikinタンパク質は染色体分配を調節する
フォトニクス:高性能ペロブスカイト太陽電池
気候科学:20世紀の海水準を再考する
古生物学:魚竜の祖先に当たる水陸両生爬虫類か?
がん:mTORCが腫瘍の成長を持続させる仕組み
構造生物学:未成熟HIV-1混成集団中で見られるキャプシド構造