Nature ハイライト
有機化学:安定な金(III)系触媒
Nature 517, 7535
高原子価遷移金属触媒反応は、合成化学者にとって貴重な手段となる可能性がある。しかし、高原子価遷移金属錯体は反応性が高く合成が困難なため、あまり開発が進んでいない。今回、容易に入手できる前駆体化合物から、高原子価遷移金属触媒反応を可能にする、3価の金(Au(III))触媒の開発が報告された。この触媒は、より調製しやすく安定で、反応性を調節しやすい。著者たちは、Au(I)錯体による温和な炭素–炭素結合開裂反応を利用して、安定なAu(III)カチオン錯体を生成している。この錯体は、選択的共役付加につながるα,β-不飽和アルデヒドや、[2 + 2]環化付加反応向けの不飽和アルデヒド-アレンを活性化できる。
2015年1月22日号の Nature ハイライト
有機化学:安定な金(III)系触媒
創薬:二重に作用する強力な抗生物質テイクソバクチン
細胞生物学:エンドサイトーシスと細胞のシグナル伝達
細胞生物学:Meikinタンパク質は染色体分配を調節する
フォトニクス:高性能ペロブスカイト太陽電池
気候科学:20世紀の海水準を再考する
古生物学:魚竜の祖先に当たる水陸両生爬虫類か?
がん:mTORCが腫瘍の成長を持続させる仕組み
構造生物学:未成熟HIV-1混成集団中で見られるキャプシド構造