Nature ハイライト
構造生物学:未成熟HIV-1混成集団中で見られるキャプシド構造
Nature 517, 7535
未成熟HIVは、このウイルスが細胞から放出される際の形態だが、未成熟HIVについての我々の理解は、精製した構成要素をin vitroで、真の状態を模倣すると考えられる状態に組み立てたものに基づいている。今回、J Briggsたちは、完全な未成熟HIV-1粒子の不均一な集団中のタンパク質殻の構造を解いた。低温電子線トモグラフィーと部分トモグラム平均化(同じ構造単位を含む、多数の調整済み部分体積の平均)を用いて、キャプシド格子の構造が分解能8.8 Åで決定された。その構造から、未成熟HIV-1中のキャプシドの配置は、成熟HIV-1キャプシドコア中で見られるものと大幅に異なっていることが示され、HIV-1の組み立てに関わる三次および四次構造相互作用が明らかになった。
2015年1月22日号の Nature ハイライト
有機化学:安定な金(III)系触媒
創薬:二重に作用する強力な抗生物質テイクソバクチン
細胞生物学:エンドサイトーシスと細胞のシグナル伝達
細胞生物学:Meikinタンパク質は染色体分配を調節する
フォトニクス:高性能ペロブスカイト太陽電池
気候科学:20世紀の海水準を再考する
古生物学:魚竜の祖先に当たる水陸両生爬虫類か?
がん:mTORCが腫瘍の成長を持続させる仕組み
構造生物学:未成熟HIV-1混成集団中で見られるキャプシド構造