Nature ハイライト
遺伝学:体脂肪分布を心血管代謝形質と結び付ける
Nature 518, 7538
今週号にはGIANTコンソーシアムによる論文が2報掲載されている。1つ目の論文では、20万人以上を対象に行った腹囲(ウエスト)および腰囲(ヒップ)に関係する形質の全ゲノム関連メタ解析の結果から、ボディーマス指数で補正された腹囲/腰囲比に関連する遺伝子座が49か所(33か所は新規)見つかり、さらに、腹囲および腰囲に基づく数値に関連する19座位が明らかになったことが報告されている。今回同定された49座位のうち一部は有意な性的二型性を示し、その多くが女性でより強い影響を及ぼしていた。解析から、脂肪生成、血管新生、転写調節およびインスリン抵抗性が、脂肪分布に影響を与える過程に関係付けられ、病態生理学的機構を探るための手掛かりや、腹部脂肪蓄積に付随する疾患リスクへの治療的介入の標的候補が得られた。
2015年2月12日号の Nature ハイライト
超伝導:高Tc超伝導体研究を振り返る
遺伝学:体脂肪分布を心血管代謝形質と結び付ける
遺伝学:肥満の遺伝的要因
神経科学:グリッド細胞の配置は環境を反映する
天文学:星形成複合体のクローズアップ
気候科学:最終退氷期における海洋のCO2の減少
神経科学:低温ショックタンパク質による神経保護
がん:PTEN欠失による抗がん耐性
発生生物学:組織の折りたたみに関わるアポトーシス
分子生物学:代替性のDNA修復にはPolθが関わっている