Nature ハイライト

神経科学:グリッド細胞の配置は環境を反映する

Nature 518, 7538

グリッド細胞と呼ばれる嗅内皮質のニューロンは、慣れた環境の表面全体に広げられた空間的格子状パターンの1つで発火し、脳に動物の周囲の環境の内的地図を提供している。このパターンの構築に、周囲環境の境界が果たす役割については、よく分かっていない。初期の研究では、グリッド細胞の発火パターンの諸性質、例えば対称性や方向、大きさなどは、環境の形状とは無関係とされてきた。しかし、今週号の2報の論文(1つはE Moserたち、1つはJ O'Keefeたちによる)で、グリッドの方向や大きさ、対称性や一様性は、環境の形状に強く影響されることが示された。グリッド細胞の受容野は、環境の周縁に対して、周縁との対称性を最小化するように数度ずれて配置される。これらの知見から、環境の形状がグリッド細胞の六角格子状発火パターンの局所的回転や変形を引き起こすことが示唆される。

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