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集団遺伝学:青銅器時代のユーラシアの集団変化

Nature 522, 7555

ロシア・サマーラ地域で発見されたヤームナヤ文化人の頭蓋骨。
ロシア・サマーラ地域で発見されたヤームナヤ文化人の頭蓋骨。 | 拡大する

Credit: Natalia Shishlina

青銅器時代は大きな文化的変化の時代であったが、その要因は知識の伝達と大規模な人の移動のどちらにあったのだろうか。今回、ユーラシア各地の古代人101人の標本から低カバー率のゲノム塩基配列を得て解析した研究で、この時代に起こった大規模な集団の移動や入れ替わりが明らかになった。得られた解析結果は、青銅器時代のヨーロッパ人では、淡色の皮膚はすでに普通になっていたが乳糖耐性はあまり広まっていなかったことを示しており、乳糖耐性に対する正の選択が働き始めたのは従来考えられていたよりも新しい年代だったことが示唆された。この研究で得られた知見は、インド・ヨーロッパ語族が前期青銅器時代に広がったとする別の報告(Letter p.207)とも一致する。

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