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集団遺伝学:ヨーロッパの言語を変えたステップからの大きな一歩

Nature 522, 7555

ドイツ・ザクセンアンハルトで発見された、後期新石器時代の鐘状ビーカー文化のものと見られる若い女性の箱式石棺墓。
ドイツ・ザクセンアンハルトで発見された、後期新石器時代の鐘状ビーカー文化のものと見られる若い女性の箱式石棺墓。 | 拡大する

Credit: LDA Sachsen-Anhalt

今回D Reichたちは、8000~3000年前に生存していたヨーロッパ人69人の全ゲノムデータを作成した。その解析から、8000~7000年ほど前に現在のドイツ、ハンガリーおよびスペインに当たる地域で、先住の狩猟採集民とは異なる初期農耕民の血縁集団が出現したことが明らかになった。同時代のロシアには、2万4000年前のシベリア人との類似性が高い独特な狩猟採集民集団が生活していた。6000~5000年前までに、ロシアを除くヨーロッパの広い地域で狩猟採集民系統が再び現れた。西ヨーロッパ集団と東ヨーロッパ集団は約4500年前に接触し、現代のヨーロッパ人にステップ系統の痕跡が残された。これらの解析から、新石器時代の人口動態に関する新たな手掛かりに加えて、ヨーロッパのインド・ヨーロッパ語族の少なくとも一部がステップ起源だとする説の裏付けが得られる。この研究で得られた知見は、青銅器時代の古代人101人のゲノムについて調べた別の研究結果(Article p.167)とも一致する。

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