Nature ハイライト
材料科学:ハイパボリックメタ表面で光を操る
Nature 522, 7555
メタマテリアルは、サブ波長(波長より短い)スケールの周期構造体でできており、天然物質には見られない負の屈折などの光学的効果を実現できる。最近この分野では、メタ表面という二次元メタマテリアルの構築に注目が集まっている。メタ表面の伝搬損失は、対応する三次元メタマテリアルより大幅に小さくなる可能性がある。今回H Parkたちは、リソグラフィー法とエッチング法で形成した単結晶銀ナノ構造体を用いて「ハイパボリック(hyperbolic)」メタ表面を作製した。この表面では、表面プラズモンポラリトンと呼ばれる光学励起が、金属と誘電体の界面を伝搬する。そして、作製方法を改良することで、十分に高品質のナノスケール金属構造体のパターンを作り、可視光波長での負の屈折などの効果を実証した。また、今回の研究では、電子のスピンホール効果の光学版も報告されている。こうした知見は、光学撮像やフォトニック回路の分野において新たな方向性を開拓するものである。
2015年6月11日号の Nature ハイライト
集団遺伝学:青銅器時代のユーラシアの集団変化
幹細胞:単離された腸幹細胞
太陽物理学:静穏太陽を加熱する方法
材料科学:ハイパボリックメタ表面で光を操る
気候科学:氷期終了の分析
集団遺伝学:ヨーロッパの言語を変えたステップからの大きな一歩
生理学:筋肉のように働く外骨格
幹細胞:初期胚でのレトロウイルスの活性化
細胞生物学:細胞分裂における核膜