Nature ハイライト
地球化学:海洋堆積物中に閉じ込められる北極の炭素
Nature 524, 7563
高緯度域の土壌と永久凍土には、大気中の2倍の炭素が含まれ、数千年間にわたって貯蔵されている。こうした有機炭素は、気候温暖化と永久凍土の融解によって分解が促進され、大気へ放出されることで、さらなる地球温暖化を引き起こす可能性があると考えられている。今回R Hiltonたちは、北アメリカ北極域最大の河川であるマッケンジー川における粒子状有機炭素の供給源、フラックス、行方を調べ、浸食された土壌の大量の炭素は二酸化炭素として急速に放出されるわけでないことを見いだした。炭素の多くは、河川に運ばれ、一部は最終的に沖合の海洋堆積物に埋没していて、こうした沖合の海洋堆積物が地質学的に重要な二酸化炭素シンクとなっている可能性があることが分かった。
2015年8月6日号の Nature ハイライト
がん:小細胞肺がんの遺伝学的原因
分子生物学:RNAに対するエキソソームの柔軟なアプローチ
構造生物学:多剤耐性の構造基盤
統計物理学:複雑ネットワークにおける影響力の大きいノードを見つける
磁性材料:銅とマンガンのデザイナー磁性
地球化学:海洋堆積物中に閉じ込められる北極の炭素
神経科学:ノルアドレナリン回路の構造
エボラウイルス:エボラウイルス系統の進化
環境微生物学:意外にもエネルギー源だったシアン酸塩
細胞生物学:膜分裂の機構を詳細に調べる
がん:ヌクレオチド再利用の特異性
分子生物学:Ribo-Tが新しい合成経路に道を開く