Nature ハイライト
分子生物学:Ribo-Tが新しい合成経路に道を開く
Nature 524, 7563
リボソームは2個のサブユニットで構成され、それぞれに1本の長いリボソームRNA(rRNA)が含まれ、そこに数十種類のタンパク質が集合している。翻訳開始シグナル上に1個のサブユニットが結合すると、完全なリボソームが組み立てられる。リボソームがメッセンジャーRNA(mRNA)上を移動するにつれ、2個のサブユニットが段階的に少しずつ動き、tRNAと新生ペプチド鎖が複合体中を動いていく。今回、ハイブリッドrRNAを作ることによって、サブユニット同士を連結したリボソームが作製された。Ribo-Tと名付けられたこの新しい複合体は、in vivoでの実験で、野生型リボソームがなくても細胞を増殖させる力を持ち、また、完全な直交性を持つリボソーム–mRNA系の確立にも利用できる。
2015年8月6日号の Nature ハイライト
がん:小細胞肺がんの遺伝学的原因
分子生物学:RNAに対するエキソソームの柔軟なアプローチ
構造生物学:多剤耐性の構造基盤
統計物理学:複雑ネットワークにおける影響力の大きいノードを見つける
磁性材料:銅とマンガンのデザイナー磁性
地球化学:海洋堆積物中に閉じ込められる北極の炭素
神経科学:ノルアドレナリン回路の構造
エボラウイルス:エボラウイルス系統の進化
環境微生物学:意外にもエネルギー源だったシアン酸塩
細胞生物学:膜分裂の機構を詳細に調べる
がん:ヌクレオチド再利用の特異性
分子生物学:Ribo-Tが新しい合成経路に道を開く