Nature ハイライト
がん:ヌクレオチド再利用の特異性
Nature 524, 7563
細胞はDNAヌクレオチドをde novoに合成するだけでなく、死んだ細胞から回収したヌクレオチドを再利用する。ヌクレオチド再利用経路が、5-ヒドロキシメチル-2′ デオキシシチジン(5hmdC)や5-ホルミル-2′ デオキシシチジン(5fdC)などのさまざまな酸化型5-メチル化シトシンをどのように扱っているのかは分かっていない。今回、S Kriaucionisたちは、ヌクレオチド再利用経路には基質選択性があり、新規に合成されたDNAにエピジェネティックに修飾されたシトシンが取り込まれるのを防いでいることを明らかにしている。しかし、シチジンデアミナーゼ(CDA)を過剰発現した一部のがん細胞は、5hmdCや5fdCの過剰発現に感受性があり、DNA損傷や細胞死につながる。これらのヌクレオシドバリアントに基づく薬剤は、CDAを過剰発現するがんに対する化学療法となる可能性があると著者たちは考えている。
2015年8月6日号の Nature ハイライト
がん:小細胞肺がんの遺伝学的原因
分子生物学:RNAに対するエキソソームの柔軟なアプローチ
構造生物学:多剤耐性の構造基盤
統計物理学:複雑ネットワークにおける影響力の大きいノードを見つける
磁性材料:銅とマンガンのデザイナー磁性
地球化学:海洋堆積物中に閉じ込められる北極の炭素
神経科学:ノルアドレナリン回路の構造
エボラウイルス:エボラウイルス系統の進化
環境微生物学:意外にもエネルギー源だったシアン酸塩
細胞生物学:膜分裂の機構を詳細に調べる
がん:ヌクレオチド再利用の特異性
分子生物学:Ribo-Tが新しい合成経路に道を開く